## 2025年は「生成AI元年」だったが、本格導入には高い壁がある
2025年、多くの企業が生成AIの導入を検討し始めた。人手不足や属人化という課題を背景に、AI活用への期待は高まる一方だ。しかし実際に業務レベルまで落とし込んで活用している企業はまだ少数派だ。
その背景には、費用対効果が見えないこと、使いこなせる社員が限られること、どの業務に適用すればいいか分からないことなどがある。中でも深刻なのが**セキュリティ面の不安**だ。
AI活用においては機密情報や顧客情報を含むデータを与える場面が出てくるが、クラウドサービスへの情報アップロードには漏洩のリスクが伴う。この課題に対し、注目されているのが「プライベートAI」だ。
—
## プライベートAIとは何か
HPEの定義によれば、プライベートAIとは「企業がChatGPTやGeminiなどのツールを使用する際に、自社の資産と知的財産をセキュアかつ非公開な状態に保ったうえで、LLMの基盤として独自の社内データを活用できるようにする」仕組みだ。
つまり、**データを外部クラウドに送らず、自社の管理下でAIを動かす**ことで、セキュリティリスクを最小限に抑えながら生成AIの恩恵を受けられるというアプローチだ。
—
## 2025-2026年、大手が相次ぎプライベートAIサービスを提供
### 富士通:プライベート領域でデータを管理するクラウドサービス
富士通は2025年2月、「Fujitsu クラウドサービス Generative AI Platform」の提供を発表した。このサービスの最大の特長は、**データをお客様ごとに割り当てられたクラウド上のプライベート領域に保管**することだ。
これにより、社内規定や経済安全保障上の懸念でパブリッククラウドにデータを保管できない企業でも、機密性の高い情報を安心して生成AIで活用できるようになる。
また、ファインチューニング用のデータやRAG(検索拡張生成)のデータもプライベート領域に保管されるため、**意図しない学習にデータが使われることを防止**できる。
### NTTデータ:データセンター上でのプライベートクラウド環境
NTTデータも2025年度中に、自社データセンター上で構築するプライベートクラウド環境において、生成AI関連サービスを拡充する予定だ。
—
## 「セキュア・バイ・デザイン」が成功の鍵
JAPAN Security Summit Updateの見解では、2026年に向けて成功を収める企業は、AIが**「プライベートであり、適切にガバナンスされ、設計段階から安全(セキュア・バイ・デザイン)である」**ことを前提に、プロアクティブなガードレールを実装できる企業であると指摘している。
セキュリティは単なるコスト要因ではなく、価値創出のドライバーであり、組織にとってミッションクリティカルな要素だ。
—
## オンプレミスで実現する安全なAI環境
プライベートAIの実装方法として、オンプレミス環境での構築も注目されている。
実際、米国防総省に採用されるセキュリティレベルを備えたAIツールは、画像解析や手書き文字認識に優れており、保険会社での書類チェック作業を**30日から30分へと大幅に短縮**した実績を持つ。
また、東京大学発のAIツールは、営業・購買・法務など部門別のプロンプトテンプレートを豊富に用意し、専門知識がなくても安心して使いこなせる。
重要なのは導入して終わりではなく、**導入前のワークショップによる業務課題の洗い出しから、導入後の定期的なコミュニケーションを通じた精度向上の支援、実務への落とし込みまで伴走してくれる体制**の整備だ。
—
## LM-EのローカルAI導入支援
LM-Eでは、このプライベートAI・ローカルAIの導入を支援している。
– **オンプレミス環境での構築**: 社内ネットワーク内で完結するAI環境を構築
– **データの完全管理**: 外部クラウドにデータを送らず、自社管理下でAIを運用
– **カスタマイズ対応**: 業務に合わせたファインチューニングやRAG構築
– **伴走支援**: 導入前の課題整理から導入後の運用改善まで一貫してサポート
セキュリティを犠牲にせず、生成AIの恩恵を受けたい。そんな企業のニーズに応えるのが、プライベートAIだ。
2026年、セキュアなAI環境は「あれば便利」から「必須インフラ」へと変わっていくだろう。
—
**関連リンク**:
– [Fujitsu クラウドサービス Generative AI Platform](https://www.fujitsu.com/jp/services/caas/)
– [HPE プライベートAIとは](https://www.hpe.com/jp/ja/what-is/private-ai.html)
– [NTTデータ プライベート環境での生成AI活用](https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/090502/)
コメントを残す